足立区・西新井の歯医者・ヒロ歯科クリニックの院長です。

ジルコニアオールセラミッククラウンについての続きです。今回は、「今、なぜオールセラミックスが注目されているか?」です。

実は、オールセラミックス修復(金属を使用せず、すべてセラミックで被せること)の歴史は長く、約40年前から臨床応用されてきました。しかし当初はセラミックの元来の特徴である非常にセンシティブな材料で割れやすいため本格的に普及には至りませんでした。したがって、今まではセラミック修復にはメタルフレームを使用したメタルボンドクラウン(メタルセラミッククラウン)が広く普及しています。

その後、この10年くらいの間にセラミックの物理的性質が向上した製品の開発と接着材料(歯に被せ物をくっつける材料)の進化により徐々に日常化してきました。それでも強度的な問題から、適応症が限られていていました。

近年、歯科用CAD/CAMシステム(※1)の本格化に伴い、高強度型セラミックスである酸化ジルコニウムが登場し、国内でも2005年に厚労省から承認され、前歯、臼歯(奥歯)の部位に関係なくまた、多数歯の症例に対してもオールセラミック修復が行える時代になりました。良好な審美性と相まって本格的な臨床応用が今まさに始まったところなのです。

 ※1 歯科用CAD/CAMシステム:CAD/CAMとはComputer aided design/ Computer aided manufacturing milling略で,コンピュータ支援によって製品の設計か ら均質な製品を生産・管理するシステムであり, -般工業界ではすでにさまざまな製品の製造に用いられています。歯科用のCAD/CAM装置はこの原理を応用したもので,すでに歯を削った模型などから情報を収集し,これを三次元の数値データに変換してコ ンピュータ上で修復物の形状を設計するCAD 装置,および設計に基づきディスクあるいはバーなどの切削器具を用いてセラミックスや金属ブロックなどの種々の材料から修復物を製造するCAM装置からなっています。

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